<厚労省>書類送検“ブラック企業”334件 HPに初公表

 厚生労働省は10日、労働基準関係法令に違反したとして最近半年間に書類送検し、社名を公表した全国334件の一覧表を初めて作成し、同省ホームページ(HP)に掲載した。

 昨年末に発表した「過労死等ゼロ」緊急対策の一環で、担当者は「一覧表にすることで社会に警鐘を鳴らす狙いがある」と説明する。従来は47都道府県にある労働局のHPに載せてきたが、報道発表で社名を明らかにしたのにHPでは伏せた事例もあったほか、掲載期間もまちまちで統一基準がなかった。同省は送検を公表した日から約1年間掲載し、毎月更新すると決めた。

 10日に掲載されたのは昨年10月から今年3月までの計334件で、(1)企業・事業所名(2)所在地(3)公表日(4)違反した法律(5)事案概要などを県別に並べた。

 内訳は、企業が安全対策を怠った労働安全衛生法違反209件▽賃金未払いなど最低賃金法違反62件▽違法な長時間労働をさせるなどした労働基準法違反60件▽労働者派遣法違反19件。労基法違反では、女性社員が過労自殺した広告最大手・電通の社名も掲載された。

(2017.5.10 毎日新聞

厚労省がHPで最近半年間に書類送検した企業名を公表しました。一覧表で企業名を公表するのはおそらく初めての試みだと思います。内訳を見ると、約6割が安全衛生法違反、約2割が最低賃金法違反と従来型の書類送検が多数を占める中、電通三菱電機など世間を賑わせた労基法違反の案件も散見されます。

厚労省の思惑通りなのでしょうが、単純平均で一県あたり約7社の企業名公表ですので、公表された企業はかなり目立ってしまいます。就職を考えている人がこの一覧表を見れば、わざわざその会社に就職しようとは思わないでしょうし、仕事の発注などでも同じ意識が働くでしょう。

法令遵守が企業のリスクマネジメントの基本であることを改めて認識させられたニュースです。