中小、春季労使交渉スタート 2つの逆風 攻防厳しく

ものづくり産業労働組合(JAM)は21日、春季労使交渉の要求書を提出、中小企業の賃上げ交渉がスタートした。強まる人手不足に加え、今年は政府の働き方改革で議論されている残業規制もあり、賃上げ余地の乏しい中小企業の経営者は厳しい戦いを迫られている。2つの「逆風」が吹き荒れる中、中小の労使の攻防は例年になく激しくなりそうだ。

(2017.2.22 日本経済新聞

先日開催された働き方改革実現会議で、残業の上限を月60時間、1年間で720時間に収めることとする政府案が示されましたが、既に長時間労働是正が浸透しつつある大企業に比べて、中小企業はなかなか長時間労働是正が進みません。

これに加えて、このところの人手不足も中小企業を直撃しています。2016年11月の有効求人倍率(季節調整値)は、1.41倍で、東京都に限れば2.03倍の超売り手市場です。この影響で三大都市圏のアルバイト・パートの平均時給は初めて1,000円を超えました。

大企業の長時間労働是正により影響を受けるのは下請けなどの中小企業です。これに人件費高騰が加わるとますます経営を圧迫することになり、中小企業にとっては厳しい春になりそうです。