働きやすさで選びたい  就活生、過労問題に敏感 企業、説明会で改革PR

 2018年卒の大学生の就職活動が本格化して約2週間が過ぎた。長時間労働の見直しに注目が集まる中、学生の企業選びも企業規模や給与から、残業の少なさや育児休暇の取りやすさなどの「働きやすさ」に移りつつある。売り手市場でもあり、企業側も独自の勤務制度や働き方改革の成果を強調。会社説明会では職場環境の良さや福利厚生の充実ぶりをPRする企業が目立っている。

(2017.3.14 日本経済新聞

近年、若者の働き方に対する意識も変わりつつあります。日本生産性本部の「2016年度 新入社員 春の意識調査」によると、「残業は多いが自分のキャリアや専門能力が高められる職場」と「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場」のどちらを好むかとの問いに、残業が少ない職場を好むと回答した割合が前年比 7.5 ポイント増の 74.7%となり、過去最高となりました。

今の若者は賃金よりも働きやすさを重視する、というこの数年のトレンドは、私も実務を通して実感しています。折からの人材不足で、賃上げによって人材を確保しようとする経営者は多いのですが、この若者の意識の変化を見誤ると、かえって優秀な人材を遠ざける結果となります。逆に言えば、労働者のニーズに適応して働きやすい職場を構築すれば、人件費を掛けずとも優秀な人材は集まる、ということです。