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携帯の販売店 営業時間短く

 携帯大手が販売店の営業時間短縮に乗り出す。NTTドコモは年中無休の体制を改めて月に1日ほどの休業日を設けるほか、夜8時まで開いている店舗の閉店時間を1時間繰り上げる店を増やす。ソフトバンクは午後に一定時間閉店する店を設ける。販売競争は引き続き激しいが、各社は働き方改革を優先。人材の確保と接客サービス向上を目指す。

 全国で約10万人の従業員がおり、かつ女性が6~7割を占める携帯販売店の見直しは、他の小売店の運営にも影響を与えそうだ。

(2017.2.5 日本経済新聞

昨年末、佐川急便の配達員が荷物を蹴ったり叩きつけたりしている動画がネットに出回り、会社が謝罪のコメントを出したニュースがありました。ただ、ネットの反応を見ると、「追加料金なしで何度も再配達させられて配達員もかわいそう」、「時間帯指定をあそこまで細かくするのは過剰サービスだ」など、割と配達員に同情的な意見が多かったのを記憶しています。

私の職場の最寄り駅周辺には10店舗ほどファミレスがありますが、深夜でも若者がたむろしている学生街にもかかわらず、24時間営業をしているのは幹線道路沿いの1店舗だけです。原因はここ数年続いている人手不足です。現在、東京都の有効求人倍率は2倍を超えていますので、肉体的にハードな飲食店の深夜業務をわざわざ選ぶ若者はいないということでしょう。

政府の進める働き方改革の柱の1つに長時間労働是正がありますが、単純に労働時間だけを短くすれば企業にとっては売上の減少を意味し、それは労働者の収入減少につながりますので、両者にとって望まざる結果となります。労働時間を短くしても商品やサービスの質を下げないためには、従来よりも効率良く働くこと、すなわち生産性の向上が欠かせません。

働き方改革が目指す方向はヨーロッパ型の生産性の高い働き方です。ヨーロッパでは文化的に顧客と従業員は対等な関係ですので、顧客満足のために従業員に長時間労働を強いるようなことはなく、この文化が高い生産性を支えているとも言えます。日本の働き方がヨーロッパ型を目指す以上、これまでの「お客様は神様です」という文化も変えざるを得ず、「過剰サービスの廃止」は、今後のトレンドになるかもしれません。