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自己啓発は労働時間 会社の指示が「暗黙」でも 厚労省指針

 厚生労働省は、長時間労働の温床とされるサービス残業をなくすため、会社側の「暗黙の指示」で社員が自己啓発をした時間も労働時間として扱うことなどを求めた指針を作成した。指針の作成は電通社員の過労自殺を受けて同省が昨年末に公表した緊急の長時間労働対策の一環。

 指針に法的拘束力はないが、同省は労働基準監督署の監督指導などを通じて企業に守るよう徹底する方針。

 労働基準法違反容疑で書類送検された電通では、実際は働いていたのに残業時間を減らすため、自己啓発などを理由に会社にとどまる「私事在館」と申告していたことが問題となり、同社は原則禁止とした。過労自殺した新入女性社員(当時24)が、残業時間が労使協定の上限に収まるよう過少申告していたことも明らかになっている。

(2017.2.4 日本経済新聞

自己啓発は労働時間」というこの記事の見出しで思い出されるのは、トヨタのQC(品質管理)サークル活動です。トヨタカイゼンの原点とも言えるQCサークル活動ですが、以前は労働組合も社員の自主活動と認めており、残業代は月2時間までしか支払われませんでしたが、社員の過労死を契機に、2008年からは残業代の全額が支払われるようになりました。

今回の指針では、「上司からはっきりとした指示がなくても、業務に必要な学習などをした場合は労働時間として扱う」こととされるようで、現場での取り扱いがなかなか厄介なところです。これまでのサラリーマン生活を振り返っても、優秀と言われる社員は皆遅くまで会社に残って人知れず努力をしていました。もちろんその努力に費やした時間を労働時間などと主張した人は誰1人いません。そうやって社内外のライバルとの競争に打ち勝ってきたのではないでしょうか。

連日の長時間労働是正の報道を見ても分かるように、日本もヨーロッパ型の時短促進・生産性向上を目指すという大きな流れは止められないでしょう。ただ自分の駆け出し時代を振り返ると、遅くまで会社に残って先輩の作った資料から良いところを必死で勉強したり、担当以外の類似データから参考資料は無いかと探したりしたものですが、ああいう事はこれからの若い人は「残業代稼ぎ」「生産性を下げる」とみなされてしづらくなるのでしょうね。昭和生まれのおっさんの余計なお節介かもしれませんが。